Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

宮古島市の観光と水問題について

《要旨》

・宮古島市の入域観光客数は2018年に100万人を超えた。「第6次沖縄県観光振興基本計画」で宮古圏域は「県内の他の圏域と異なる特徴として、下地島空港を拠点とした国際線やプライベートジェットの受け入れ、ラグジュアリーな宿泊施設の立地等により富裕層をターゲットとした観光地を形成する」としており、今後も観光需要の増加が見込まれる。

・宮古島市の複数のホテル経営者から「宮古島市において水不足が懸念されており、今後の開発に支障をきたすのでは」との声を聞いたことから、宮古島市の水の需給状況について、生活用水・農業用水等の用途別に現状と今後の計画を整理した。生活用水は観光客増加に伴い水需要が増加する見込みであり、農業用水もかんがい整備に伴い水需要が増加する見込みであることが分かった。

・宮古島市へのヒアリング結果からは、安定した水の供給のため、新水源の開発や施設設備の更新等を計画し取り組んでいるものの、主にホテル事業者からの給水希望が大幅に増加しており、計画を超える水需要に対応しきれていない現状があることが分かった。

・計画を超える水需要の増加による、水不足が懸念される。今後の取り組みとして、節水を意識したリゾート開発や宮古島市への継続的な財政支援等を挙げ、行政・事業者・市民が一体となって議論するための会議体を設置することを提言したい。宮古島市の持続可能な産業発展のための解決すべき課題として、関係者全員で水問題に向き合っていくことが望まれる。

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