Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内の在留外国人の動向と国境を越えて働く人材の現状―在留外国人は3万3,516人(2025年12月末推計)と過去最高更新の見込み、 将来を見据えた人材定着の戦略が必要―

( 要 旨 )

・出入国在留管理庁の在留外国人統計によると、2024年12月末の沖縄県の在留外国人は2万9,384人で、前年末比3,937人(15.5%増)の増加となり、3年連続で過去最高を更新した。

・国籍・地域別ではネパールが5,570人で最も多く、過去最多となった。次いでインドネシア(3,316人)、中国(3,064人)、米国(2,898人)、ベトナム(2,835人)、フィリピン(2,765人)などの順となった。

・在留資格別では永住者が6,245人で最も多く、前年末比でも増加した。次いで留学(4,470人)、技術・人文知識・国際業務(3,187人)、技能実習(3,470人)、特定技能(3,142人)、日本人の配偶者等(2,262人)、の順となり、特定技能の増加数が最も大きかった。

・「特定技能1号」は、25年6月末には3,489人となり、業種別では「外食」(772人)が最も多く、次に「介護」(736人)」、「飲食料品製造業」(628人)、「農業」(561人)の順となり同4業種で8割を占めた。

・当研究所で沖縄県の「推計人口」から25年12月末の在留外国人を試算した結果、3万3,516人と推計され、前年末比で4,132人程度増加していると見込まれる。

・総務省の「住民基本台帳人口移動報告」で本県における在留外国人の人口移動をみると、22年からは「国外からの本県への転入」が増加したことにより、「本県への転入超」が続いているが、県内の語学学校等を経て、県外へ進学・就職する外国人も多く課題である。また24年後半以降、本県から国外への増加が大きくなっている。

・県内では多くの産業で人手不足が課題だが、外国人労働者は地域経済社会を下支えしている。県内事例を見ると、単純作業や補助的業務にとどまらず、専門性や当事者としての経験を生かして戦力として活躍する人材も着実に増加している。今後は、外国人材の生活環境や雇用環境の整備を進めるとともに、将来を見据えた人材定着の戦略を検討していくことが重要である。

・人材を送り出す側の状況としてスリランカの事例を紹介する。現地では日本語教育だけでなく、日本の文化や生活習慣、業務の基礎知識などについても体系的かつ厳格な教育が行われている。

・沖縄県では「多文化共生アクションプラン」の策定が進められており、多文化共生に向けた具体的な取り組みが検討されている。同計画が着実に実行され、取り組みが進展していくことが期待される。

・県内における多文化共生・共創社会の早期実現に向け、(1)居住支援の取り組みの推進強化、(2)信頼できる支援機関の選定と支援体制の強化、(3)人材不足分野を見据えた外国人材育成の推進、(4)地域の将来を見据えた高度人材受け入れのための規制緩和と体制整備、の4点を提言した。誰もが安心して暮らせ、持続的に発展する社会の実現に向け、沖縄県が積極的に取り組みを進めていくことが期待される

 

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