Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内における2024年プロ野球春季キャンプの経済効果― 経済効果は過去最高の177億9,300万円―

(要 旨)

・2024年の沖縄県内におけるプロ野球春季キャンプの経済効果は、177億9,300万円となり、2023年の101億5,300万円を大きく上回った。

・延べ観客数は約45万7,000人となり、前年(37万9,000人)から20.6%増となった。うち県外からの観客数は約9万8,000人と推測された。

・今年は新型コロナ5類移行後初のキャンプシーズンとなり人流回復の動きが強くみられ、各キャンプ地は連日、県内外から訪れる多くの観客で賑わいをみせた。経済効果、観客数はともにコロナ禍前の2019年(経済効果141億3,100万円、観客数40万8,000人)を上回り過去最高となった。

・プロ野球春季キャンプは、観光のオフシーズンに多くの観客や関係者が来沖し消費活動を行うことから「観光消費額の平準化」に寄与し、県経済に与えるインパクトは大きい。経済効果の最大化を目指すにあたり、観光消費額の大きい県外客の誘客および消費行動を促すことが重要である。

・また、地元飲食店や土産品店の出店促進は、キャンプ地の賑わい創出及び来場者の消費行動を促し、経済効果に大きく影響する。

・さらにプロ野球春季キャンプにおける誘客は、沖縄観光の新たな客層の獲得及びリピーター創出につながる。温暖な気候を活かした「スポーツアイランド沖縄」の形成は沖縄観光発展の重要な位置を占めており、プロ野球春季キャンプはスポーツツーリズム推進の一翼を担う存在として、継続・進化していくことが期待される。そのためには県や自治体、地元事業者、そして地域住民が一体となって持続可能な受け入れ態勢を構築していくことが不可欠である。

・今後もキャンプ集積地としての付加価値向上を図り、沖縄のスポーツ産業を牽引する観光コンテンツとしてさらに発展していくことが望まれる。

 

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