県内の景気動向
景況概況(2025年8月)
景気は、緩やかに拡大している(24カ月連続)
消費関連では、百貨店売上高は前年を上回る
観光関連では、入域観光客数は前年を上回る
建設関連は、資材価格の高止まりや人手不足により回復に一服感が出ているものの、消費関連は、節約志向が継続しつつも旺盛な観光需要を背景に回復の動きが強まっていること、観光関連は、国内外ともに旅行需要が好調に推移し、拡大の動きが強まっていることなどから、総じて県内景気は緩やかに拡大している。
先行きは、旺盛な観光需要にけん引され底堅い推移が見込まれることから、引き続き緩やかに拡大するとみられる。
消費関連
百貨店売上高は、2カ月連続で前年を上回った。引き続き免税売上が好調に推移したことなどが売上増加に寄与した。スーパー売上高は、旧盆時期の相違による影響が色濃く、既存店は2カ月連続、全店ベースは39カ月ぶりに前年を下回った。新車販売台数は、夏の観光シーズンとなりレンタカー登録台数は増加したものの、自家用車が減少したことなどから9カ月ぶりに前年を下回った。家電大型専門店販売額(7月)は、2カ月連続で前年を下回った。
先行きは、引き続き物価の動向に注視する必要があるものの、旺盛な観光需要を背景に底堅い推移が見込まれ、回復の動きが強まるとみられる。
建設関連
公共工事請負金額は、市町村は減少したが、国、県、独立行政法人等その他は増加したことから4カ月ぶりに前年を上回った。建築着工床面積(7月)は、居住用、非居住用ともに減少したことから3カ月連続で前年を下回った。新設住宅着工戸数(7月)は、分譲は増加したが、持家、貸家、給与住宅は減少したことから3カ月連続で前年を下回った。県内主要建設会社の受注額は、公共工事、民間工事ともに減少したことから6カ月連続で前年を下回った。建設資材関連では、セメント、生コンともに2カ月連続で前年を下回った。鋼材売上高は4カ月ぶりに前年を上回り、木材売上高は2カ月ぶりに前年を上回った。
先行きは、大型工事の受注に一服感がみられ、資材価格の高止まりや人手不足、工期の長期化などを背景に、回復の動きが鈍化するものとみられる。
観光関連
入域観光客数は、45カ月連続で前年を上回った。国内客は14カ月連続で増加し、外国客は35カ月連続で増加した。県内主要ホテルは、稼働率は17カ月連続で前年を上回り、売上高、宿泊収入はともに15カ月連続で前年を上回った。主要観光施設入場者数は42カ月連続で前年を上回った。ゴルフ場は、入場者数は2カ月連続で減少し、売上高は3カ月ぶりに前年を下回った。一部では大阪・関西万博に流れる動きもみられたが、堅調な国内観光需要や外国客の増加により、引き続き好調に推移した。
先行きは、外国からの訪日意欲が高く外国客の増加が見込まれること、秋の行楽シーズンに向けて国内客の増加も予想されることから、拡大の動きが強まるとみられる。
雇用関連
新規求人数(7月)は、前年同月比4.5%減となり3カ月連続で前年を下回った。産業別にみると、生活関連サービス業・娯楽業、サービス業(他に分類されないもの)、宿泊業・飲食サービス業などで減少した。有効求人倍率(7月、季調値)は1.12倍で、前月と同水準となった。完全失業率(季調値)は2.9%と、前月から0.1ポイント低下した。
その他
消費者物価指数は、前年同月比3.0%の上昇となり、48カ月連続で前年を上回った。生鮮食品を除く総合は同3.2%の上昇となり、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は同4.1%の上昇となった。
倒産件数は2件で前年同月から2件減少した。負債総額は2億円で、前年同月比0.5%減となった。