Ryugin Research Institute Ltd.

県内の景気動向

景況概況(2024年12月)  

景気は、緩やかに拡大している(16カ月連続)

 消費関連では、百貨店売上高は前年を上回る

 観光関連では、入域観光客数は前年を上回る

 消費関連は、消費マインドは底堅く推移しており、回復の動きが強まっていること、建設関連は、手持ち工事額は高水準で推移しており、回復の動きが強まっていること、観光関連は、修学旅行シーズンであるほか、年末年始の旅行需要により好調に推移し、拡大の動きが強まっていること、総じて県内景気は緩やかに拡大している。

 先行きは、底堅い消費マインドと観光需要にけん引され、引き続き緩やかに拡大するとみられる。

消費関連

 百貨店売上高は、2カ月連続で前年を上回った。催事企画による集客効果や外国客の増加などが売上増加に寄与した。スーパー売上高は、既存店・全店ベースともに31カ月連続で前年を上回った。節約志向は継続しているものの、クリスマスや年末などではケーキやオードブルなど食料品を中心に需要が高く好調に推移した。新車販売台数は、レンタカー登録台数が増加したことなどから2カ月ぶりに前年を上回った。家電大型専門店販売額(11月)は、16カ月連続で前年を上回った。

 先行きは、引き続き物価の動向に注視する必要があるものの、消費マインドは底堅い推移が見込まれ、回復の動きが強まるとみられる。

建設関連

 公共工事請負金額は、独立行政法人等・その他は増加したが、国、県、市町村は減少したことから2カ月連続で前年を下回った。建築着工床面積(11月)は、居住用、非居住用ともに減少したことから4カ月連続で前年を下回った。新設住宅着工戸数(11月)は、貸家、給与は増加したが、持家、分譲は減少したことから2カ月ぶりに前年を下回った。県内主要建設会社の受注額は、公共工事、民間工事ともに減少したことから2カ月連続で前年を下回った。建設資材関連では、セメントは4カ月連続で前年を下回り、生コンは4カ月ぶりに前年を上回った。鋼材売上高は5カ月連続で前年を下回り、木材売上高は4カ月連続で前年を下回った。

 先行きは、建設資材の動向を注視する必要があるものの、手持ち工事額は引き続き高水準での推移が見込まれることなどから回復の動きが強まるとみられる。 

観光関連

 入域観光客数は、37カ月連続で前年を上回った。国内客は6カ月連続で増加し、外国客は27カ月連続で増加した。県内主要ホテルは、稼働率は9カ月連続で前年を上回り、売上高、宿泊収入ともに7カ月連続で前年を上回った。主要観光施設入場者数は34カ月連続で前年を上回った。ゴルフ場は、入場者数・売上高ともに4カ月ぶりに前年を上回った。修学旅行シーズンであるほか、年末年始の旅行需要も高く引き続き好調に推移した。

 先行きは、外国からの訪日意欲が高く外国客の増加が見込まれること、スポーツキャンプなどイベントもあり国内客の増加も継続すると予想されることから、拡大の動きが強まるとみられる。

雇用関連

 新規求人数(11月)は、前年同月比4.0%減と3カ月連続で前年を下回った。産業別では、宿泊業・飲食サービス業、情報通信業などで減少した。有効求人倍率(11月、季調値)は1.12倍で、前月から0.03ポイント低下した。完全失業率(11月、季調値)は3.3%と、前月から0.1ポイント低下した。

その他

消費者物価指数(11月)は、前年同月比3.6%の上昇となり、39カ月連続で前年を上回った。生鮮食品を除く総合は同3.3%の上昇となり、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は同2.9%の上昇となった。
 倒産件数は7件で前年同月から5件増加した。負債総額は4億9,100万円で、前年同月比346.4%増となった。

 

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