Ryugin Research Institute Ltd.

県内の景気動向

景況概況(2024年5月)  

景気は、緩やかに拡大している(9カ月連続)

 消費関連では、百貨店売上高は前年を上回る

 観光関連では、入域観光客数は前年を上回る

 消費関連は、消費マインドは底堅く継続しており、回復の動きが強まっていること、建設関連は資材価格が高止まりしているものの、民間工事の動きが活発化しており、回復の動きが強まっていること、観光関連は、前年同月に実施された全国旅行支援の反動は多少あるものの、国内外の旅行需要は引き続き高く、緩やかに拡大していること、総じて県内景気は緩やかに拡大している。

 先行きは、底堅い消費マインドと観光需要にけん引され、緩やかな拡大基調が継続するとみられる。

消費関連

 百貨店売上高は、11カ月連続で前年を上回った。物産催事や会員限定企画の実施による集客効果や免税売上の増加が寄与した。スーパー売上高は、既存店・全店ベースともに24カ月連続で前年を上回った。県内客・県外客ともに来店客数の増加がみられ好調に推移した。新車販売台数は、5カ月連続で前年を下回った。一部自動車メーカーによる生産・出荷停止の影響が和らぎ減少幅は縮小したものの、前年同月の反動などより減少した。家電大型専門店販売額(速報値)は、10カ月連続で前年を上回った。

 先行きは、新車をはじめとする耐久消費財の先行きに懸念があるものの、消費マインドは底堅い推移が見込まれ、回復の動きが強まるとみられる。

建設関連

 公共工事請負金額は、国は減少したが、県、市町村、独立行政法人等・その他は増加したことから、4カ月ぶりに前年を上回った。建築着工床面積(4月)は、居住用、非居住用ともに減少したことから2カ月ぶりに前年を下回った。新設住宅着工戸数(4月)は、持家、給与は減少したが、貸家、分譲は増加したことから4カ月ぶりに前年を上回った。県内主要建設会社の受注額は、公共工事は減少したが、民間工事は増加したことから、3カ月連続で前年を上回った。建設資材関連では、セメント、生コンは3カ月連続で前年を下回った。鋼材売上高、木材売上高は、出荷量が増加したことなどから前年を上回った。

 先行きは、資材価格が高止まりしているものの、民間工事の動きが活発化していることなどから回復の動きが強まるとみられる。

観光関連

 入域観光客数は、30カ月連続で前年を上回った。国内客は3カ月連続で減少し、外国客は20カ月連続で増加した。県内主要ホテルは、稼働率は2カ月連続で前年を上回り、売上高、宿泊収入は2カ月ぶりに前年を下回った。主要観光施設入場者数は27カ月連続で前年を上回った。ゴルフ場は、入場者数は5カ月連続で減少し、売上高は3カ月連続で前年を下回った。前年同月の全国旅行支援の反動があるものの、外国客の増加もあり好調に推移した。

 先行きは、外国からの訪日意欲が高いなか那覇空港発着の航空便の拡充があり、外国客の増加が見込まれること、夏の旅行シーズン到来で国内客の増加も予想されることから、緩やかに拡大するとみられる。

雇用関連

 新規求人数は、前年同月比5.0%減と5カ月連続で前年を下回った。産業別では、宿泊業・飲食サービス業、情報通信業、運輸業・郵便業などで減少した。有効求人倍率(季調値)は1.10倍で、前月から0.04ポイント低下した。完全失業率(季調値)は3.3%と、前月から0.6ポイント低下した。

その他

 消費者物価指数は、前年同月比3.4%の上昇となり、33カ月連続で前年を上回った。生鮮食品を除く総合は同3.2%の上昇となり、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は同2.6%の上昇となった。
 倒産件数は4件で前年と同数となった。負債総額は5,500万円で、前年同月比92.0%減となった。

 

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