Ryugin Research Institute Ltd.

県内の景気動向

景況概況(2025年4月)  

景気は、緩やかに拡大している(20カ月連続)

 消費関連では、百貨店売上高は前年を上回る

 観光関連では、入域観光客数は前年を上回る

 消費関連は、底堅い消費マインドと観光需要の継続により、回復の動きが強まっていること、建設関連は、手持ち工事額は高水準で推移しており、回復の動きが強まっていること、観光関連は、国内外ともに旅行需要が好調に推移し、拡大の動きが強まっていること、総じて県内景気は緩やかに拡大している。

 先行きは、底堅い消費マインドと観光需要にけん引され、引き続き緩やかに拡大するとみられる。

消費関連

 百貨店売上高は、2カ月ぶりに前年を上回った。人気の高い物産催事や会員限定企画による集客効果に加え、外国客の増加に伴う免税売上の増加などが売上を押し上げた。スーパー売上高は、値上げによる単価上昇などにより既存店・全店ベースともに35カ月連続で前年を上回った。新車販売台数は、一部自動車メーカーによる生産・出荷停止の影響がみられた前年同月の反動増などにより5カ月連続で前年を上回った。家電大型専門店販売額(3月)は、20カ月連続で前年を上回った。

 先行きは、引き続き物価の動向に注視する必要があるものの、消費マインドは底堅い推移が見込まれ、回復の動きが強まるとみられる。

建設関連

 公共工事請負金額は、県は減少したが、国、市町村、独立行政法人等・その他は増加したことから2カ月連続で前年を上回った。建築着工床面積(3月)は、非居住用は減少したが、居住用は増加したことから8カ月ぶりに前年を上回った。新設住宅着工戸数(3月)は、給与は着工が無かったが、持家、貸家、分譲は増加したことから5カ月ぶりに前年を上回った。県内主要建設会社の受注額は、民間工事は増加したが、公共工事は減少したことから2カ月連続で前年を下回った。建設資材関連では、セメント、生コンともに2カ月連続で前年を上回った。鋼材売上高は2カ月連続で前年を上回り、木材売上高は8カ月連続で前年を下回った。

 先行きは、建設資材の動向を注視する必要があるものの、手持ち工事額は引き続き高水準での推移が見込まれることなどから回復の動きが強まるとみられる。

観光関連

 入域観光客数は、41カ月連続で前年を上回った。国内客は10カ月連続で増加し、外国客は31カ月連続で増加した。県内主要ホテルは、稼働率は13カ月連続で前年を上回り、売上高、宿泊収入ともに11カ月連続で前年を上回った。主要観光施設入場者数は38カ月連続で前年を上回った。ゴルフ場は、入場者数は4カ月連続で減少し、売上高は5カ月連続で前年を上回った。春休みシーズンや大型連休の旅行需要により、引き続き好調に推移した。

 先行きは、外国からの訪日意欲が高く外国客の増加が見込まれること、夏の旅行シーズンに向けた国内客の旅行需要の高まりが予想されることから、拡大の動きが強まるとみられる。

雇用関連

 新規求人数(3月)は、前年同月比10.2%減と7カ月連続で前年を下回った。産業別にみると、卸売業・小売業、生活関連サービス業・娯楽業などで減少した。有効求人倍率(3月、季調値)は1.08倍で、前月と同水準となった。完全失業率(3月、季調値)は3.1%と、前月から1.0ポイント上昇した。

その他

 消費者物価指数(3月)は、前年同月比4.6%の上昇となり、43カ月連続で前年を上回った。生鮮食品を除く総合は同4.4%の上昇となり、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は同4.1%の上昇となった。
 倒産件数は10件で前年同月から7件増加した。負債総額は5億3,500万円で、前年同月比184.6%増となった。 

 

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