Ryugin Research Institute Ltd.

県内の景気動向

景況概況(2024年8月)  

 景気は、緩やかに拡大している(12カ月連続)

 消費関連では、百貨店売上高は前年を上回る

 観光関連では、入域観光客数は前年を上回る

 消費関連は、消費マインドは底堅く推移しており、回復の動きが強まっていること、建設関連は資材価格が高止まりしているものの、公共工事、民間工事ともに堅調な動きが続いており、回復の動きが強まっていること、観光関連は、夏休みシーズンで国内外の旅行需要が高く、緩やかに拡大していること、総じて県内景気は緩やかに拡大している。

 先行きは、底堅い消費マインドと観光需要にけん引され、緩やかな拡大基調が継続するとみられる。

消費関連

 百貨店売上高は、14カ月連続で前年を上回った。前年同月の台風襲来に伴う臨時休業の反動増がみられたほか、物産催事の開催や免税売上の増加などもあり好調となった。スーパー売上高は、既存店・全店ベースともに27カ月連続で前年を上回った。旧盆需要が高く食料品を中心に好調となった。新車販売台数は、夏休みシーズンとなりレンタカーの登録台数が増加したことなどから9カ月ぶりに前年を上回った。家電大型専門店販売額(7月)は、12カ月連続で前年を上回った。

 先行きは、引き続き物価の動向に注視する必要があるものの、消費マインドは底堅い推移が見込まれ、回復の動きが強まるとみられる。

建設関連

 公共工事請負金額は、市町村は増加したが、国、県、独立行政法人等・その他は減少したことから、4カ月ぶりに前年を下回った。建築着工床面積(7月)は、居住用は減少したが、非居住用は増加したことから2カ月ぶりに前年を上回った。新設住宅着工戸数(7月)は、給与、分譲は減少したが、持家、貸家は増加したことから2カ月ぶりに前年を上回った。県内主要建設会社の受注額は、公共工事、民間工事ともに減少したことから2カ月ぶりに前年を下回った。建設資材関連では、セメントは6カ月ぶりに前年を上回り、生コンは3カ月連続で前年を上回った。鋼材売上高は5カ月ぶりに前年を下回り、木材売上高は2カ月連続で前年を上回った。

 先行きは、資材価格が高止まりしているものの、公共工事、民間工事とも堅調な推移が見込まれることなどから回復の動きが強まるとみられる。

観光関連

 入域観光客数は、33カ月連続で前年を上回った。国内客は2カ月連続で増加し、外国客は23カ月連続で増加した。県内主要ホテルは、稼働率は5カ月連続で前年を上回り、売上高、宿泊収入ともに3カ月連続で前年を上回った。主要観光施設入場者数は30カ月連続で前年を上回った。ゴルフ場は、入場者数は8カ月ぶりに増加し、売上高は6カ月ぶりに前年を上回った。夏休みシーズンによる国内外の旅行需要の高まりに加え、前年同月の台風襲来の影響による反動増もみられた。

 先行きは、外国からの訪日意欲が高く外国客の増加が見込まれること、秋の行楽シーズンもはじまり国内客の増加も予想されることから、緩やかに拡大するとみられる。

雇用関連

 新規求人数(7月)は、前年同月比5.1%減と7カ月連続で前年を下回った。産業別では、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業などで減少した。有効求人倍率(7月、季調値)は1.10倍で、前月から0.03ポイント上昇した。完全失業率(7月、季調値)は3.3%と、前月から0.4ポイント上昇した。

その他

 消費者物価指数は、前年同月比3.0%の上昇となり、36カ月連続で前年を上回った。生鮮食品を除く総合は同3.2%の上昇となり、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は同2.2%の上昇となった。
 倒産件数は4件で前年同月から3件増加した。負債総額は2億100万円で、前年同月比905.0%増となった。

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