Ryugin Research Institute Ltd.

県内の景気動向

景況概況(2025年7月)  

景気は、緩やかに拡大している(23カ月連続)

 消費関連では、百貨店売上高は前年を上回る

 観光関連では、入域観光客数は前年を上回る

 消費関連は、節約志向が継続しているものの、旺盛な観光需要を背景に回復の動きが強まっていること、建設関連は、資材価格の高止まりや人手不足により、回復に一服感が出ていること(下方修正)、観光関連は、国内外ともに旅行需要が好調に推移し、拡大の動きが強まっていること、総じて県内景気は緩やかに拡大している(判断据置)。

 先行きは、旺盛な観光需要にけん引され底堅い推移が見込まれることから、引き続き緩やかに拡大するとみられる。

消費関連

 百貨店売上高は、2カ月ぶりに前年を上回った。引き続き免税売上が好調に推移し売上増加に寄与した。スーパー売上高は、既存店は気象要因などにより38カ月ぶりに減少し、全店ベースは38カ月連続で前年を上回った。新車販売台数は、夏の観光シーズンとなりレンタカー登録台数が増加したことなどから8カ月連続で前年を上回った。家電大型専門店販売額(6月)は、2カ月ぶりに前年を下回った。

 先行きは、引き続き物価の動向に注視する必要があるものの、旺盛な観光需要を背景に底堅い推移が見込まれ、回復の動きが強まるとみられる。

建設関連

 公共工事請負金額は、国は増加したが、県、市町村、独立行政法人等・その他は減少したことから3カ月連続で前年を下回った。建築着工床面積(6月)は、居住用、非居住用ともに減少したことから2カ月連続で前年を下回った。新設住宅着工戸数(6月)は、給与住宅は増加したが、持家、貸家、分譲は減少したことから2カ月連続で前年を下回った。県内主要建設会社の受注額は、公共工事、民間工事ともに減少したことから5カ月連続で前年を下回った。建設資材関連では、セメントは5カ月ぶりに前年を下回り、生コンは2カ月ぶりに前年を下回った。鋼材売上高は3カ月連続で前年を下回り、木材売上高は2カ月ぶりに前年を下回った。

 先行きは、大型工事の受注に一服感がみられ、資材価格の高止まりや人手不足、工期の長期化などを背景に、回復の動きが鈍化するものとみられる。

観光関連

 入域観光客数は、44カ月連続で前年を上回った。国内客は13カ月連続で増加し、外国客は34カ月連続で増加した。県内主要ホテルは、稼働率は16カ月連続で前年を上回り、売上高、宿泊収入はともに14カ月連続で前年を上回った。主要観光施設入場者数は41カ月連続で前年を上回った。ゴルフ場は、入場者数は2カ月ぶりに減少し、売上高は2カ月連続で前年を上回った。一部では大阪・関西万博に流れる動きもみられたが、堅調な国内観光需要や外国客の増加により、引き続き好調に推移した。

 先行きは、外国からの訪日意欲が高く外国客の増加が見込まれること、秋の行楽シーズンに向けて国内客の増加も予想されることから、拡大の動きが強まるとみられる。

雇用関連

 新規求人数は、前年同月比4.5%減となり3カ月連続で前年を下回った。産業別にみると、生活関連サービス業・娯楽業、サービス業(他に分類されないもの)、宿泊業・飲食サービス業などで減少した。有効求人倍率(季調値)は1.12倍で、前月と同水準となった。完全失業率(季調値)は2.9%と、前月から0.1ポイント低下した。

その他

 消費者物価指数は、前年同月比3.2%の上昇となり47カ月連続で前年を上回った。生鮮食品を除く総合は同3.3%の上昇となり、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は同4.0%の上昇となった。
 倒産件数は8件で前年同月から4件増加した。負債総額は8億9,100万円で、前年同月比18.9%減となった。

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