Ryugin Research Institute Ltd.

県内の景気動向

景況概況(2024年2月) 

景気は、緩やかに拡大している(6カ月連続)

 消費関連では、百貨店売上高は前年を上回る

 観光関連では、入域観光客数は前年を上回る

 消費関連は、消費マインドは底堅く継続しており、回復の動きが強まっていること、建設関連は資材価格が高止まりしているものの、民間工事の動きが活発化しており、回復の動きが強まっていること、観光関連は、前年同月に実施された全国旅行支援の反動は多少あるものの、連休等により国内外の旅行需要高く、緩やかに拡大していること、総じて県内景気は緩やかに拡大している。

 先行きは、底堅い消費マインドと観光需要にけん引され、緩やかな拡大基調が継続するとみられる。

消費関連

 百貨店売上高は、8カ月連続で前年を上回った。春節時期における外国客増加に伴い、免税売上の増加が顕著となったほか、バレンタイン企画等による集客効果がみられ好調に推移した。スーパー売上高は、既存店・全店ベースともに21カ月連続で前年を上回った。値上げによる単価上昇に加え、月内に連休が2回あったこと、また、うるう年による営業日数の増加などが売上増加に寄与した。新車販売台数は、一部自動車メーカーによる生産・出荷停止の影響が継続したことなどにより3カ月連続で前年を下回った。家電大型専門店販売額(1月)は、6カ月連続で前年を上回った。

 先行きは、新車をはじめとする耐久消費財の先行きに懸念があるものの、消費マインドは底堅い推移が見込まれ、回復の動きが強まるとみられる。

建設関連

 公共工事請負金額は、県、市町村は増加したが、国、独立行政法人等・その他は減少したことから4カ月ぶりに前年を下回った。建築着工床面積(1月)は、居住用、非居住用ともに減少したことから2カ月ぶりに前年を下回った。新設住宅着工戸数(1月)は、持家、給与は増加したが、貸家、分譲は減少したことから8カ月ぶりに前年を下回った。県内主要建設会社の受注額は、民間工事は増加したが、公共工事は減少したことから、2カ月連続で前年を下回った。建設資材関連では、セメントは2カ月連続で前年を上回り、生コンは3カ月ぶりに前年を上回った。鋼材売上高、木材売上高は、出荷量が増加したことなどから前年を上回った。

 先行きは、資材価格が高止まりしているものの、民間工事の動きが活発化していることなどから回復の動きが強まるとみられる。

観光関連

 入域観光客数は、27カ月連続で前年を上回った。国内客は2カ月連続で増加し、外国客は17カ月連続で増加した。県内主要ホテルは、稼働率、売上高、宿泊収入全て2カ月連続で前年を上回った。主要観光施設入場者数は24カ月連続で前年を上回った。ゴルフ場は、入場者数は2カ月連続で減少し、売上高は6カ月連続で前年を上回った。3連休が2回あり日並びが良いなか、那覇発着フライ&クルーズの実施、プロ野球春季キャンプによる集客やマラソン大会などのスポーツイベント開催、春節による外国客の増加もあり好調に推移した。

 先行きは、外国からの訪日意欲が高いなか那覇空港発着の航空便の拡充があり、外国客の増加が見込まれること、春休みや連休などの旅行需要があり国内客の増加も予想されることから、緩やかに拡大するとみられる。

雇用関連

 新規求人数(1月)は、前年同月比2.4%減と2カ月ぶりに前年を下回った。産業別では、生活関連サービス業・娯楽業、卸売業・小売業、運輸業・郵便業などで減少した。有効求人倍率(1月、季調値)は1.14倍で、前月より0.01ポイント低下した。完全失業率(1月、季調値)は2.8%と、前月から0.2ポイント低下した。

その他

 消費者物価指数(1月)は、前年同月比3.2%の上昇となり、29カ月連続で前年を上回った。生鮮食品を除く総合は同3.2%の上昇となり、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は4.2%の上昇となった。
 倒産件数は6件で前年同月から3件増加した。負債総額は1億5,700万円で、前年同月比62.3%減となった。

 

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