県内の景気動向
景況概況(2025年6月)
景気は、緩やかに拡大している(22カ月連続)
消費関連では、スーパー売上高は前年を上回る
観光関連では、入域観光客数は前年を上回る
消費関連は、節約志向が継続しているものの、旺盛な観光需要を背景に回復の動きが強まっていること、建設関連は、手持ち工事額は高水準で推移しており、回復の動きが強まっていること、観光関連は、国内外ともに旅行需要が好調に推移し、拡大の動きが強まっていること、総じて県内景気は緩やかに拡大している。
先行きは、旺盛な観光需要にけん引され底堅い推移が見込まれることから、引き続き緩やかに拡大するとみられる。
消費関連
百貨店売上高は、3カ月ぶりに前年を下回った。中元ギフトセンターの展開時期の相違などが影響した。スーパー売上高は、値上げによる単価上昇などにより既存店・全店ベースともに37カ月連続で前年を上回った。新車販売台数は、夏の観光シーズンを前にレンタカー登録台数が増加したことなどから6カ月連続で前年を上回った。家電大型専門店販売額(5月)は、2カ月ぶりに前年を上回った。
先行きは、引き続き物価の動向に注視する必要があるものの、旺盛な観光需要を背景に底堅い推移が見込まれ、回復の動きが強まるとみられる。
建設関連
公共工事請負金額は、県、市町村は増加したが、国、独立行政法人等・その他は減少したことから2カ月連続で前年を下回った。建築着工床面積(5月)は、居住用、非居住用ともに減少したことから3カ月ぶりに前年を下回った。新設住宅着工戸数(5月)は、分譲は増加したが、持家、貸家、給与住宅は減少したことから3カ月ぶりに前年を下回った。県内主要建設会社の受注額は、公共工事、民間工事ともに減少したことから4カ月連続で前年を下回った。建設資材関連では、セメントは4カ月連続で前年を上回り、生コンは2カ月ぶりに前年を上回った。鋼材売上高は2カ月連続で前年を下回り、木材売上高は10カ月ぶりに前年を上回った。
先行きは、手持ち工事額は引き続き高水準での推移が見込まれるものの、資材価格の高止まりや人手不足、工期の長期化などを背景に、回復に一服感が出てくるものとみられる。
観光関連
入域観光客数は、43カ月連続で前年を上回った。国内客は12カ月連続で増加し、外国客は33カ月連続で増加した。県内主要ホテルは、稼働率は15カ月連続で前年を上回り、売上高は13カ月ぶりに前年を下回り、宿泊収入は13カ月連続で前年を上回った。主要観光施設入場者数は40カ月連続で前年を上回った。ゴルフ場は、入場者数は6カ月ぶりに増加し、売上高は2カ月ぶりに前年を上回った。一部では大阪・関西万博に流れる動きもみられたが、堅調な国内観光需要や外国客の増加により、引き続き好調に推移した。
先行きは、外国からの訪日意欲が高く外国客の増加が見込まれること、夏の旅行シーズンに向けた国内客の旅行需要の高まりが予想されることから、拡大の動きが強まるとみられる。
雇用関連
新規求人数(5月)は、前年同月比6.0%減と2カ月ぶりに前年を下回った。産業別にみると、情報通信業、宿泊業・飲食サービス業、製造業などで減少した。有効求人倍率(5月、季調値)は1.09倍で、前月から0.01ポイント低下した。完全失業率(5月、季調値)は3.0%と、前月から0.9ポイント低下した。
その他
消費者物価指数は、前年同月比4.0%の上昇となり、46カ月連続で前年を上回った。生鮮食品を除く総合は同4.2%の上昇となり、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は同4.2%の上昇となった。
倒産件数は6件で前年同月から2件減少した。負債総額は6億5,300万円で、前年同月比65.2%減となった。