Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県経済2013年の回顧と2014年の展望

要旨

【2013年の回顧】

~ 国内経済は緩やかに回復し、県内経済は年終盤には拡大の動きが強まる~

○ 国内経済は、アベノミクスの第1の矢である日銀の大規模な金融緩和により円高の是正とデフレ状況の改善が進み、国民のマインドが上向き、消費税増税前の駆け込み需要も加わり、緩やかな回復基調をたどった。

○ 県内経済は、観光関連と建設関連が総じて好調な動きとなり、消費関連が堅調に推移したことから、年終盤には拡大の動きが強まった。

○ 個人消費は、百貨店・スーパー売上高は新設店効果、夏場の猛暑により食料品や衣料品が増加したことなどから前年を上回り、耐久消費財は、新車販売台数が新車投入効果などにより前年を上回り、電気製品卸売販売額も太陽光発電システムなどが好調に推移したことで前年を上回ったことから、堅調な動きとなった。

○ 建設関連は、公共工事は前年を上回り、住宅着工も消費税増税前の駆け込み需要などから前年を大幅に上回り、好調な動きとなった。

○ 観光関連は、新石垣空港開港に加えLCCや国際航空路線新規参入から入域観光客数が増加し、年後半にかけて好調な動きとなった。ホテルは販売客室数が増加したことから宿泊収入が増加した。

○ 雇用情勢は、大幅に改善した。単月の有効求人倍率が本土復帰以来最高の0.58倍を記録するなどし、完全失業率も改善した。企業倒産は、中小企業金融円滑化法などの政策支援が終了したことから件数、金額ともに前年を上回った。

【2014年の展望】

~ 国内経済は回復基調を維持し、県内経済は緩やかに拡大しよう~

○ 国内経済は、消費税増税の実質的な所得減少による消費の抑制効果などから景気回復の足取りは鈍化しようが、政府の総額5.5兆円の経済対策と日銀の機動的な追加金融緩和により回復基調を維持しよう。

○ 県内経済は、消費関連が一時消費税増税後の反動減がみられるものの、景気対策の下支えなどにより全体では堅調に推移するものとみられ、建設も沖縄振興予算の大幅増による公共工事の増加などから概ね好調に推移するものとみられる。観光関連も新規航空路線の参入効果などから好調に推移するものとみられることから、全体として、緩やかな拡大になることが期待される。

○ 個人消費は、4月の消費税増税に向けて耐久消費財を中心に消費活動が一時的に活発となろう。その後、反動減となるものの、景気対策の下支えなどから、全体では堅調な動きになるものとみられる。

○ 建設関連は、公共工事は沖縄振興予算の増加により前年を上回るものとみられ、民間工事は、企業の建設投資意欲の増加から、全体としては概ね好調な動きになるものと見込まれる。

○ 観光関連は、消費税増税により旅行需要の一時的な鈍化が懸念されるものの、総じて好調な動きとなろう。ホテルの稼働状況は改善が見込まれるが、客室単価が回復するまでには、なお時間を要するものとみられる。

 

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