Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県経済2012年の回顧と2013年の展望

要旨

【2012年の回顧】

~ 国内経済は春以降後退局面入りし、県内経済は緩やかな回復が続いた~

○ 国内経済は、滑り出しこそ震災の復興需要により緩やかな回復基調にあったものの、欧州政府債務危機の高まりやそれを背景とした海外景気の下振れの影響などにより、春先以降は後退期局面入りしたものとみられる。

○ 県内経済は、消費関連が堅調な中、一部で弱含みとなったものの、観光関連と建設関連が持ち直したことから、緩やかな回復が続いた。

○ 個人消費は、百貨店・スーパー売上高は食料品などが増加したことや新設店効果などから前年を上回り、耐久消費財は、エコカー補助金の復活で新車販売台数が前年を上回ったが、地上デジタル完全移行に伴う特需から電気製品卸売販売額が前年を下回ったことから、堅調な中、一部弱含みの動きがみられた。

○ 建設関連は、公共工事は前年を上回り、住宅着工も堅調な動きとなったことから、持ち直しの動きとなった。

○ 観光関連は、新規航空路線参入による提供座席数の増加などから入域観光客数が増加し、ホテルは、販売客室数が前年を上回り、宿泊収入が増加したことなどから、持ち直しの動きとなった。

○ 雇用情勢は、改善の動きとなった。完全失業率が改善し、就業者数も増加した。また、求人数も増加し、これに伴い有効求人倍率も改善した。企業倒産は、政策支援などから件数、金額ともに前年を下回った。

【2013年の展望】

~ 国内経済は堅調に推移し、県内経済は緩やかな拡大が続こう~

○ 国内経済は、海外景気の持ち直しによる輸出の回復と、新政権の大型補正予算と大胆な金融緩和による景気浮揚効果に加え、年後半には消費増税前の駆け込み需要の発生が見込まれることから景気は全般に堅調に推移しよう。

○ 県内経済は、消費関連がスーパー・百貨店などにおいて人口・世帯数の増加を背景に堅調に推移するものとみられ、建設も引き続き住宅着工の増加などから底堅く推移するものとみられる。観光関連も新規航空路線の参入効果などから堅調に推移するものとみられることから、全体として、緩やかな拡大になることが期待される。

○ 個人消費は、百貨店・スーパー売上高は人口・世帯増加の下支えから食料品を中心に底堅く推移し、後半は消費税増税前の耐久消費財の駆け込み需要も見込めるため、全体としては堅調な動きになるものとみられる。

○ 建設関連は、公共工事の予算増加が見込まれ、民間工事は企業の建設投資意欲が回復傾向にあり、住宅着工は消費増税前の駆け込み需要が予想されることから、全体として底堅い動きになるものとみられる。

○ 観光関連は、入域観光客数が新規航空路線の効果などから増加し、前年を大幅に上回る見通し。ホテルの稼働状況も改善が見込まれることから、全体では堅調な動きになるものとみられる。

 

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