Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県の防災体制強化に向けた3つのリ・デザインの提言 〜『SIP防災OKINAWA2025』実施を踏まえて〜

<要旨>

•本レポートは、2025年12月21日に沖縄県南城市で実施した総合検証訓練「SIP 防災 OKINAWA2025」の実施内容について報告すると共に、検証訓練で得た知見に基づき、Society5.0時代に即した沖縄県防災体制のリ・デザインを提言するものである。

•今後想定される南海トラフ巨大地震など国難級災害が発生した場合、沖縄県には地理的特有の脆弱性がある。隣県から陸路で応援部隊が駆けつけられる本土と異なり、島嶼地域であるため外部支援が届きにくく、孤立することが容易に想定される。さらに、広大な海域に市町村が点在するため、本島以上に離島の孤立が長期化する厳しい現実がある。そのため、災害情報共有を基礎自治体職員に依存するこれまでの枠組みを早急に見直し、本土以上に緊密な連携体制を構築する必要がある。

•「戦略的イノベーション創造プログラム(以下、SIP)」第3期「スマート防災ネットワークの構築」サブ課題Cでは、「災害実動機関における組織横断の情報共有・活用」をテーマとして、被災地の自治体職員に災害情報の共有を依存せず、災害対応のプロである実動機関の協力を得ながら、情報通信技術を活用して効率的に社会全体で対応すべく、研究開発を進めている。「SIP防災OKINAWA2025」は、その研究プロジェクトの一環として、国の研究機関である「国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、防災科研)」が中立的な立場で主催した総合検証訓練である。過酷な災害現場のDXを図るため、共通のデジタル基盤を活用し、災害実動機関同士の「合同調整」に重点を置いて実施した、全国でも例のない訓練である。

•本訓練実施の結果、共通デジタル基盤を活用した合同調整の有用性や新規性が各参加機関から高く評価された。一方で、システムの操作性や視認性の改善、情報量の整理といった今後のブラッシュアップに向けた課題も明らかになった。

•弊社は、今後も防災科研との連携を密にし、来たる大規模災害に備えるため、沖縄県の防災力強化を目指して、3つのリ・デザイン「①災害情報共有のリ・デザイン」「②防災訓練のリ・デザイン」「③総合検証のリ・デザイン〜ナショナル・トレーニングセンター構築」を提言する。

 

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