調査レポート
沖縄県内におけるジャパンウィンターリーグ開催による経済効果 ~ジャパンウィンターリーグ2024の経済効果は5億8,300万円~
≪要旨≫
・ジャパンウィンターリーグは2022年より毎年11月~12月に沖縄県内の球場にて開催される野球のリーグ戦である。
・同リーグは、プロ野球を目指す選手たちの挑戦の場となる「トライアウトリーグ」と、プロ野球や社会人野球の選手がスキルアップを目指して参加する「アドバンスリーグ」の2種類に分けられる。国内に加え海外からの参加も多く、2024年に開催されたジャパンウィンターリーグ2024では139名の選手が参加し、うち海外選手が半数を超えた。
・同リーグには、国内外のプロ野球、独立リーグ、社会人野球、MLBなど多くの球団のスカウトが参加し、2024年大会ではトライアウト参加選手78名中26名が契約を獲得した。
・2024年大会の延べ観客数は3,005人となり、前年の約1.5倍となった。これをもとに試算した同大会の沖縄県内における経済効果は5億8,300万円となった。
・スポーツツーリズム推進に向けた3つの取組みとして、2025年より新たに開催されたジャパンサマーリーグ、2025年11月に開幕を予定しているジャパンウィンターリーグ2025、将来的に目指す「ベースボールEXPO」構想を紹介する。
・同リーグの成長に向けた課題として、①認知度・ブランド力の向上、②地域コミュニティとの連携強化をあげた。ブランドイメージを明確にし、先ず開催地沖縄での認知度を高め、それを基盤に全国的な知名度とブランド力を高めること、また持続的な成長のためにも地域コミュニティといった外部団体との連携強化が求められる。
・同リーグの参加選手数や観客数が増加することで、経済効果もさらに拡大することが見込まれ、その効果は沖縄の「観光需要の年間平準化」の一助となり得る。今後、課題を一つずつ乗り越えながら成長を続けることで、同リーグが「スポーツアイランド沖縄」を象徴するコンテンツへと発展を遂げることに期待したい。


