調査レポート
沖縄県内における2025年プロ野球春季キャンプの経済効果 ~ 経済効果は過去最高の224億2,100万円~
(要 旨)
・2025年の沖縄県内におけるプロ野球春季キャンプの経済効果は、過去最高の224億2,100万円となり、前年の177億9,300万円を大きく上回った。
・延べ観客数は約43万9,000人となり、前年(45万7,000人)から3.9%減となったものの、旺盛な観光需要等を背景に県外からの観客数は増加し、過去最高の約12万人と推測され、各キャンプ地は連日多くの観客やファンで賑わいをみせた。
・プロ野球春季キャンプは、観光のオフシーズンに多くの観客や関係者が来沖し消費活動を行うことから「観光消費額の平準化」に寄与し、県経済に与えるインパクトは大きい。
・経済効果の最大化を目指すにあたり、観光消費額の大きい県外客を中心に誘客および消費行動を促すことが重要である。地元飲食店や土産品店の出店や地域への周遊の促進などは、キャンプ地の賑わい創出及び来場者の消費行動を促し、経済効果に大きく影響する。
・また、球団の継続的な受け入れにあたり、老朽化が進む球場施設の強化が欠かせない。さらに、スポーツツーリズムのみならず沖縄観光全体の課題として、交通問題への対策も求められる。
・プロ野球春季キャンプにおける誘客は、沖縄観光の新たな客層の獲得及びリピーター創出につながる。温暖な気候を活かした「スポーツアイランド沖縄」の形成は沖縄観光発展の重要な位置を占めており、プロ野球春季キャンプはスポーツツーリズム推進の一翼を担う存在として、継続・進化していくことが期待される。そのためには県や自治体、地元事業者、そして地域住民が一体となって持続可能な受け入れ態勢を構築していくことが不可欠である。
・今後もキャンプ集積地としての付加価値向上を図り、沖縄のスポーツ産業を牽引する観光コンテンツとしてさらに発展していくことが望まれる。