調査レポート
ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント開催が沖縄にもたらす効果~ゴルフツーリズム客の県内消費額は一般観光客の1.4倍、第38回大会の経済効果は31億円~
【 共同調査について 】
りゅうぎん総合研究所と一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(以下、OCVB)はダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントが沖縄へもたらす効果について共同調査を行いました。
OCVBにて大会来場者へのアンケート調査を実施し、りゅうぎん総合研究所にてその集計結果を分析し、経済波及効果を算出したうえで調査レポートとしてまとめました。両社は今後とも適宜連携しながらスポーツツーリズム推進のため、調査を実施してまいります。
【 要 旨 】
・ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントは1988年の第1回大会から2025年の第38回まで継続開催されている県内唯一の定例プロトーナメントである。同大会は、沖縄と本土をつなぐ架け橋の役割と同時に、地元アマチュアゴルファーへの機会提供、ゴルフ文化の定着支援等を提供し続け、様々な分野で沖縄の発展に寄与してきた。
・本県におけるゴルフの位置付けとして、観光閑散期である冬季がベストシーズンであること、また「観る」と「する」両方の性質を兼ね備えたスポーツであり、ゴルフプレー代など高い観光消費が期待されることなどから、スポーツツーリズムを推進する上で大きな存在感を示している。
・来場者アンケートの結果からは、ゴルフツーリズム客は一般観光客に比べて消費額が大きく、また長期滞在の割合が高い傾向がみられ、沖縄観光の課題である「年を通した需要の平準化」や「量から質への転換」など、沖縄経済への大きな一助となる可能性が示された。
・第38回ダイキンオーキッドのギャラリー数は14,540人(延べ人数)となり、大会開催により沖縄へもたらされた経済波及効果は31億2,900万円(波及効果倍率は1.36倍)と試算された。
・ゴルフは試合を観戦する『観る』スポーツであると同時に、観客として来沖した人々がラウンドを楽しむ『する』スポーツにも繋がっており、大会前後に行われる消費活動により生みだされる経済的効果は、県内で実施される他のスポーツイベントと比較しても大きいことが分かった。
・第38回大会では、誘客促進や情報発信強化、アンケート調査など新たな取り組みが行われた。発展を続ける同大会において、今後更なる経済効果の拡大を目指すための取り組みとして、①SNSを活用した情報発信強化、②会場内の環境整備の検討が必要である。
・同大会が沖縄にもたらす経済的・社会的効果は大きい。また同時に沖縄の観光課題である「スポーツアイランド沖縄の推進」、「観光需要平準化」、「量から質への転換」にも寄与する重要なイベントである。同大会が大会テーマである”沖縄とともに限りなき前進”を実現し、さらに持続的に発展していくことを期待したい。