Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

2024年度の沖縄県経済の動向

(1)概況

 2024年度の県内景気は、消費関連は、底堅い消費マインドや旺盛な観光需要にけん引され、回復の動きが強まった。建設関連は、公共工事請負金額が前年度に引き続き高い水準となり、回復の動きが強まった。観光関連は、旺盛な旅行需要を受け、緩やかな拡大の動きとなった。全体では、緩やかな拡大の動きとなった。

 個人消費は、回復の動きが強まった。百貨店、スーパー売上高は、値上げによる単価上昇に加え、県民や観光客など来店客数の増加がみられ好調に推移した。新車販売台数は、一部自動車メーカーの不正問題による影響が和らいだことや、レンタカーの増加などが全体を押し上げた。家電大型専門店販売額は、前年度を上回った。

 建設関連は、回復の動きが強まった。公共工事では、沖縄振興予算は前年度を下回り、国発注工事などが減少するも、公共工事請負金額は防衛関連工事などを中心に前年度に引き続き高い水準となった。民間工事では、前年度にホテルなどの大型工事があり、その反動減から建設受注額は前年度を下回るも、引き続き分譲マンションやホテルなどの受注が見られたほか、新設住宅着工戸数は貸家の増加から前年度と同水準となった。建設資材関連では、鋼材や木材の売上高は価格の下落などから前年度を下回るも、引き続き資材価格は高い水準で推移した。

 観光関連は、緩やかな拡大の動きとなった。円安の影響により旅行先を海外から沖縄へ振り向ける動きがあったとみられ、国内客は過去最高を記録した。また外国客も国際的なイベント等を背景に回復が顕著となった。県内主要ホテルは、稼働率、売上高、宿泊収入、客室単価全て前年度を上回った。主要観光施設入場者数も前年度を上回った。ゴルフ場は入場者数が前年度を下回ったものの、売上高は前年度を上回った。

 

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