Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内の職業別雇用情勢について

要旨

○2009年度の失業率は7.5%と高水準であり、求人倍率も0.43倍と4年連続で低下している。2008年度以降、求人倍率の低下幅が広がっており、金融危機後の国内景気悪化の影響が県内雇用情勢にも色濃く反映されている。

○雇用情勢を職業別にみると、国内景気悪化の影響を強く受けているものが多くみられるなか、あまり受けずに比較的雇用情勢が安定しているものがあることがわかった。そこで本稿では便宜的に、影響を強く受けている「影響型職業」と、雇用情勢が安定している「安定型職業」に分類した。

○影響型職業に分類されるものとして、サービスの職業、情報処理技術者、軽工業・生産工程の職業、重工業・生産工程の職業、土木建築等の職業などが挙げられる。そのほとんどが2008年度以降、求人倍率が低下し、充足率(求人を出した事業者のうち人員を充足できた割合)が上昇し、就職率(求職者のうち就職できた割合)が低下する傾向にあった。

○安定型職業としては、営業・販売関連事務(コールセンタースタッフなど)、社会福祉専門(介護職など)などが挙げられる。いずれも2008年度以降も安定した求人倍率を維持している。

○厳しい雇用情勢ではあるが、今後も営業・販売関連事務や社会福祉専門などは一定の需要が見込まれよう。また求人倍率が低い職業においても、充足率は100%ではないため、雇用の余地が残っており、求職者が求人に見合ったスキルを取得することや、希望条件を柔軟に広げることなどで雇用のミスマッチをなくし、失業率の改善に繋がることが期待される。

 

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