Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県経済2008年の回顧と2009年の展望

要旨

【2008年の回顧】

~ 国内経済は弱まり、県内経済は足踏みが続いた~

○国内経済は、欧米における金融危機の深刻化や株式・為替市場の大幅な変動も相まって輸出、生産、企業収益が減少するなど弱まった。

○県内経済は、観光関連は好調を持続したのに対し、個人消費が概ね底堅く推移したものの一部に生活防衛的な弱い動きがみられ、建設関連は改正建築基準法の影響の一巡から一部に持ち直しの動きがみられたものの全体としては弱い動きが続いたことから、足踏みの動きが続いた。

○個人消費は、新車販売台数が弱含んだものの、人口増加や販促効果などにより百貨店・スーパー売上高が、全店、既存店ベースともに前年を上回り、電気製品卸売販売額も増加するなど、底堅く推移した。

○建設関連は、年前半は改正建築基準法の影響から弱い動きで推移した。後半は同法施行の一巡などから持ち直しの動きがみられたものの、年を通しては弱い動きで推移した。

○観光関連は、根強い沖縄人気に支えられ入域客数が過去最高となった。ホテルの新規開業が相次ぎ、観光施設の入場客も前年を上回るなど好調を維持した。

○雇用情勢は、求人数は減少したものの、完全失業率は同水準となる見込みである。企業倒産は件数、金額ともに大幅に増加した。

【2009年の展望】

~ 国内経済は不況色が強まり、県内経済は弱含みへ ~

○国内経済は、世界規模の金融危機が実体経済に及ぼす影響の深刻化、世界景気のさらなる下振れ、株式・為替市場の引続きの大幅変動などを受けて、雇用情勢の悪化も含め、景気の状況は不況色の強いものとなろう。

○県内経済は、国内景気後退の影響が徐々に波及するにつれて弱含み推移となろう。個人消費は引き続き底堅く推移するものの一部で弱い動きがみられ、建設関連も弱い動きが続き、さらには観光も弱い動きとなるものと予想される。

○個人消費は、底堅く推移しよう。人口増加や新設店効果などがプラスに作用しよう。

○建設関連は、改正建築基準法の影響が薄れ、一部で持ち直しの動きがみられるものの、企業の建設投資の抑制や賃金の伸び悩みなどから全体では引き続き弱い動きで推移するものとみられる。

○観光関連は国内客を中心に入域観光客数が減少し弱い動きとなろう。

 

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