Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県経済2024年の回顧と2025年の展望

【2024年の回顧】

 ~ 国内経済は緩やかな回復の動き、県内経済は緩やかな拡大基調 ~

○国内経済は、消費マインドや旅行需要の高まりから個人消費の動きが活発化し、企業動向も堅調な動きとなり、回復の動きがみられた。

○県内経済は、底堅い消費マインドと国内外からの旅行需要の高まりから、緩やかに拡大する動きが続いた。

○個人消費は、物価高騰が続くなか底堅い消費マインドや旺盛な観光需要にけん引され、回復の動きが強まる展開となった。百貨店・スーパー売上高は、既存店・全店ベースともに前年を上回った。耐久消費財は、新車販売台数は前年を下回り、家電大型専門店販売額は前年を上回った。

○建設関連は、回復の動きが強まった。公共工事は引き続き防衛関連工事がみられ底堅く推移した。民間工事ではホテルや商業施設などの大型工事がみられ、手持ち工事額は増加傾向にあった。

○観光関連は、国内外の旅行需要の高まりを受け入域観光客数は大きく増加した。同様に主要ホテルは宿泊客室稼働率、売上高ともに前年を上回り、観光施設入場者数も前年を上回った。ゴルフ場は、入場者数は前年を下回ったものの、売上高は前年とほぼ同水準となった。

○雇用情勢は、社会経済活動がより一層活発化するなか、多くの業種で人手不足の状況が継続した。有効求人倍率(季調値)は求人数が減少したことから前年を下回り、完全失業率は前年より低下した。

○企業倒産は、件数、負債総額ともに増加した。円安による仕入価格高騰や、人件費上昇分の価格転嫁が難航している小規模零細企業や、コロナ禍から立ち直れないコロナ関連倒産も目立った。

【2025年の展望】

 ~ 国内経済は回復基調継続 、県内経済は拡大の動きが強まる ~

○国内経済は、不安定な世界情勢や物価高騰など懸念材料はあるものの、実質賃金の上昇による消費マインドの改善やインバウンド需要など底堅い個人消費や、旺盛な設備投資意欲に支えられ、回復の動きが継続するであろう。

○県内経済は、消費関連では県民の底堅い需要と外国客の需要により回復の動きが強まる見込まれること、建設関連は、旺盛な観光需要に伴い民間投資に再開の動きが強まることから、拡大の動きが強まると予想される。

○個人消費は、引き続き物価の動向に注視する必要があるものの、県民の底堅い消費マインドと観光需要にけん引され、回復の動きに力強さが増し、緩やかな拡大に向かうとみられる。

○建設関連は、緩やかに拡大することが見込まれる。公共工事では沖縄振興予算案が前年と同水準となり、防衛省関連予算案は高い水準で維持されることなどから、底堅く推移するとみられる。民間工事では、建築単価の動向や金利上昇の影響を注視する必要があるが、景気の拡大に伴う企業の建設投資需要の高まりが期待され、緩やかに拡大するとみられる。

○観光関連は、為替市場の円安傾向を背景に、国内外からの旺盛な旅行需要により、拡大の動きが強まると予想される。

 

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