調査レポート

沖縄県内における2008年プロ野球春季キャンプの経済効果

要旨

○2008年２月に沖縄県内で春季キャンプを実施した国内のプロ野球球団は、石垣島でのロッテキャンプが新たに加わり、９球団となった。

○キャンプ期間中の観客数は、球団広報などの発表によると約26万5,000人（オープン戦含む）となり、前年（22万7,400人）を約３万7,400人上回った。

○また、キャンプ期間中の県外からの滞在者は、当社の試算によると、選手、球団関係者が約950人、報道関係者・解説者が約2,500人、県外からの観客が約2万9,500人、合計で約3万2,950人と推察され、前年（約3万1,540人）を約1,400人上回った。

○県外からの滞在者及び県民のキャンプ関連支出額（直接支出額）は、約41億100万円（前年約35億5,900万円）と推計され、ロッテのキャンプが加わったことなどから前年を上回った。主な内訳をみると、宿泊費が10億2,400万円と最も多く、次いで飲食費7億8,100万円、土産品購入6億2,400万円などとなっている。

○波及効果を含めた経済効果について、沖縄県産業連関表により試算した結果、経済効果は約62億7,400万円となり、キャンプ関連の直接支出額（約41億100万円）に対して約1.5倍の波及効果となっている。産業別に多い方からみると、宿泊業10億2,400万円、鉱業・製造業7億8,700万円、飲食店6億4,400万円の順となった。

○今年のキャンプの経済効果は、前年のキャンプ効果（約53億3,700万円）を約9億3,700万円上回った。増加要因として、ロッテが新たに加わったことや前年に日本シリーズを制覇した中日などが注目され観客数が増加したことなどが挙げられる。

○キャンプの課題としては、施設の充実やキャンプをサポートする人員の増員（地元協力会等の要望）などがあるものの、各市町村ともに依然として厳しい財政事情から充分に応えられないのが現状である。これらのことを補うためにも、今後、一人でも多くの県民がボランティアとして協力会をサポートしたり、あるいはキャンプに出向くなどしてキャンプを盛り上げていくことがより求められる。

2008年05月			沖縄県内における2008年プロ野球春季キャンプの経済効果
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