Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県におけるレンタカー業界の動向

要旨

○県内レンタカーは、利用者のほとんどを占める入域観光客の増加に伴い許可車両台数を伸ばしており、10年前と比較すると約4倍の車両数となっている。特にここ3年は約1.8倍と著しく増加しており、現在の市場規模は約200億円になると推察される。

○レンタカー許可車両数と入域観光客数のそれぞれの1996年の数値を100とした場合、06年にはレンタカーが405、入域観光客数が163となっており、レンタカーは入域観光客数の増加率を大きく上回っている。

○増加の要因としては、団体旅行から個人旅行へのシフト、レンタカー付のフリープラン型のパッケージ旅行の増加などが挙げられる。

○これに併せて、旅行エージェントとの取引の多い大手のレンタカー事業者が車両数を大幅に増加させており、ここ3年の許可車両数の大幅な増加要因になっているとみられる。

○その他の増加要因として、インターネットによりレンタカーの情報が入手しやすくなり予約が容易になったことや観光客のリピーター率が高まり、これらの客のレンタカー利用の割合が高くなったことが挙げられる。

○また、レンタカー事業の規制緩和が進み、許可要件が簡素化されたことから新規参入する事業者が増えたことも車両数が増加した要因となっている。

○レンタカーの稼動状況は、98年度から01年度までは低くなる傾向がみられたが、02年度は増加に転じ、その後概ね安定して推移している。要因として、先述したように団体旅行から個人旅行へのシフトにより、移動手段としてレンタカーの利用率が大きく増加していることが挙げられる。

○利用者からの要望として、カーナビ情報の更新や交通渋滞の解消、道路標識の整備などが挙がっている。今年に入っても入域観光客数は好調に推移し、レンタカーの稼動も堅調に推移しているものとみられる。レンタカー業界並びに行政等は多くの観光客が安心してレンタカーを利用できるように、これらの課題の解決に早急に取り組んでいく必要がある。

 

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