Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内における2007年プロ野球春季キャンプの経済効果

要旨

○2007年2月に沖縄県内で春季キャンプを実施した国内のプロ野球球団は、前年と同様、日本ハム、広島、中日、横浜、オリックス、ヤクルト、阪神、楽天の8球団であった。全球団の3分の2が県内でキャンプを実施した。

○キャンプ期間中の観客数は、球団広報などの発表によると約22万7,400人(オープン戦含む)となり、前年(17万1,100人)を約5万6,300人上回った。

○また、キャンプ期間中の県外からの滞在者は、当社の試算によると、選手、球団関係者が約840人、報道関係者・解説者が約2,300人、県外からの観客が約2万8,400人、合計で約3万1,540人と推察され、前年(約2万8,200人)を約3,340人上回った。

○県外からの滞在者及び県民のキャンプ関連支出額(直接支出額)は、約35億5,900万円(前年約33億3,000万円)と推計され、県外からの観客の増加などにより前年を上回った。主な内訳をみると、宿泊費が10億1,800万円と最も多く、次いで飲食費7億5,800万円、土産品購入5億9,500万円などとなっている。

○波及効果を含めた経済効果について、県の産業連関表により試算した結果、経済効果は約53億3,700万円となり、キャンプ関連の直接支出額(約35億5,900万円)に対して約1.5倍の波及効果となっている。産業別に多い方からみると、宿泊業10億2,100万円、鉱業・製造業6億9,100万円、飲食店6億1,400万円の順となった。

○前年のキャンプの経済効果は約50億4,100万円であったことから、今年は前年を約2億9,600万円上回った。増加要因として、好調な沖縄観光を背景とした県外からの観客の増加や応援ツアー等の増加、天候に恵まれたこと、オープン戦が4試合開催されたこと(前年は雨天のため2試合の開催)などが挙げられる。

○那覇市は、読売巨人軍に対して正式にキャンプ誘致を要請しており、実現した場合、当社の試算によると約19億円の経済効果が見込まれる。

○プロ野球キャンプは、経済効果だけでなくPR効果や教育効果も大きい。また、誘致合戦も激しいことから、受入体制を強固なものとし、スポーツコンベンション地としての更なる観光振興のためにも、県民挙げてキャンプを盛り上げ、キャンプの定着を図っていくことがより求められる。

 

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