調査レポート
「デフレ下における経営上の取組み状況」に関するアンケート調査
要旨
1.デフレの実感:95%以上の企業がデフレを実感
○現在の経営環境からみたデフレの実感についてたずねたところ、「かなりデフレである」と回答した企業が約3割、「ややデフレである」と回答した企業まで含めると、95%以上の企業がデフレを実感していると回答。
○主要三業界別にみると、いずれの業界でも「ややデフレである」と回答した企業が最も多いが、他業界と比べ観光関連で「かなりデフレ」であるとした企業の割合が高い。
2.デフレの要因:「需要の減退」、「競合先の増加」がそれぞれ約4割
○現在の経営環境からみたデフレの要因についてたずねたところ、「需要の減退」、「競合先の増加」と回答した企業がぞれぞれ約4割、「生産・仕入コストの低減」と回答した企業が2割弱を占めた。
○主要三業界別にみると、消費関連で「生産・仕入コストの低減」を挙げる企業の割合が高く、「需要の減退」を挙げる企業と同じ約3割となっている。
3.デフレ下の売上増加・維持戦略:販路拡大による数量増加策が最多
○デフレ下で売上高を増加・維持するためにとっている戦略をたずねたところ(3つ以内)、「販路・受注先を開拓し、販売数量を増加させる」と回答した企業が最も多く、「販売価格を下げ、販売数量を増加させる」と回答した企業は少ない。
○主要三業界別にみると、いずれの業界でも「販路拡大」と回答する企業の割合が高いものの、観光関連では「品質・サービスの向上により、価格を下げないようにする」と回答した企業の割合が高い。
○問2の「デフレの要因」についての回答別に戦略をみると、「需要の減退」、「競合先の増加」と回答した企業ではともに「販路拡大」を挙げる企業が最も多く、「生産・仕入コストの低減」と回答した企業では「得意分野の強化」、「価格維持」を挙げる企業が最も多い。
4.デフレ下における利益確保のための取組み:物流方法の見直しが最多
○デフレ下で利益を確保するために行っている取組みについてたずねたところ(3つ以内)、「仕入ルートや物流方法の見直し」を挙げた企業が最も多い。
○主要三業界別にみると、消費関連、観光関連では「物流の見直し」を挙げる企業が最も多く、建設関連では「設備投資の抑制」を挙げる企業が最も多い。
○問1の「デフレの実感」についての回答別にみると、「かなりデフレである」と回答した企業で「賃金体系の見直し」を挙げた企業が多くなっている。
2003年05月 | 「デフレ下における経営上の取組み状況」に関するアンケート調査 | ||
PDF全文 |