Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内におけるカーシェアリング市場の動向

要 旨

〇近年、会員同士で車を共同利用する「カーシェアリング(以下、カーシェアと略)」が東京、大阪など首都圏を中心に急速に普及している。沖縄県内においてもその動きは同様で、2023年12月末時点のステーション数(179箇所)、車両台数(425台)は、ともに過去最高となった。

〇カーシェアは、自動車保有コストの削減や環境負荷低減等、経済的・社会的メリットが大きい新たな交通手段として注目を集めているが、県内においては「観光需要」と「ビジネス需要」という全国とは異なるニーズの下で市場が拡大傾向にあり、2023年の市場規模は5億900万円に上ることが確認された。また、それと同時に、県民の認知や利用は広がっていない状況もみられた。

〇沖縄県は、様々な交通課題の解決を目的とした「TDM(交通需要マネジメント)施策」を展開している。過度な自家用車の利用抑制、公共交通への利用転換という観点からカーシェアの利用促進を謳っており、自動車交通の適正化に資する交通サービスとして県民の認知向上及び利用促進を図ることは重要である。

〇県民の利用促進にあたっては、沖縄県の地域特性を理解するとともに、カーシェアの有用性や期待される効果についての理解を深める必要があることから、(1)カーシェアの認知度向上、(2)自動車保有台数からみた地域特性という二つの視点から「セカンドカー」としてのカーシェアの利用可能性について考察した。

〇本レポートを通して、カーシェアの認知が高まり、“本当に必要なモノだけを所有し、そうでないモノはシェアする”というシェリングエコノミーの輪が広がっていくことに期待したい。

 

このページのトップへ