Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

県内経済~2001年の回顧と2002年の展望~

要旨

○2001年の県内景気(実績)は年前半は「足踏み状態」が続いたが、個人消費が雇用情勢の悪化の影響等から全体的に冴えず、建設関連も公共工事の落ち込み等により低調に推移したことから、年央には「停滞感が台頭」し、さらに年末にかけては米国同時多発テロの影響から観光産業を中心に落ち込み、「後退しつつある」状況となった。
・消費関連をみると、百貨店の売上高は低調であったが、スーパーが新設店の出店効果から総合店ベースで前年比増となり、また新車販売も前年に引き続き好調な推移をみせた。一方で家電製品販売は白ものといわれる冷蔵庫・洗濯機等が年間を通じて不調となるなど、総じて見ると方向感の定まらない展開であった。

建設関連は、新設住宅着工の好調さを除けば、全般的に前年を下回って推移した。公共工事は補正後予算が前年比マイナスとなったこともあり、工事請負額が土木関係工事を中心に落ち込んだ。建設資材関連は公共土木工事の減少により、セメント、生コン出荷量が減少し、鋼材・建材についても鋼材の価格下落の影響もあり、売上高が減少した。新設住宅着工は年終盤には陰りが見えたが、那覇新
・都心の貸家を中心とした工事の活発さを背景に好調に推移した。
・観光関連は昨年がサミットの影響で入域観光客数が前年比減少の結果となったことから、今年は観光に対する県経済の牽引役としての期待が大きかったが、年終盤には米国同時テロの影響で、修学旅行のキャンセルを引き金に入域観光客数が大きく落ち込み、逆に県経済の懸念材料となった。

○2002年の県内景気(見通し)は、昨年終盤の米国同時多発テロによる観光等県経済への影響が癒えぬまま、後退色の強いスタートとなることが予想されるが、年終盤には持ち直しの動きが見られるであろう。
・個人消費は、新規求人数の減少など雇用情勢が前年に引き続き厳しくなり、全般的に伸び悩むことが見込まれる。
・建設関連は前年に引き続き公共工事の規模が縮小し、景気後退感の強い中で民間工事にも期待しづらく、全体的に前年を下回る規模での推移となろう。
・観光関連は昨秋の米国同時多発テロの影響から脱しきれず全般的に弱含みの推移が予想される。入域観光客数は前年を若干上回る水準にとどまろう。

 

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