Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県経済2023年の回顧と2024年の展望

【2023年の回顧】

 ~ 国内経済は回復の動き ~

 ~ 県内経済は回復の動きから緩やかな拡大基調 ~

○国内経済は、消費マインドや旅行需要の高まりから個人消費の動きが活発化し、企業動向も堅調な動きとなり、回復の動きがみられた。

○県内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が大幅に和らいだことで、消費関連、観光関連の回復が顕著となり、秋以降は緩やかに拡大する動きとなった。

○個人消費は、年間を通して物価高がみられるものの、消費マインドの高まりが顕著となり回復の動きがみられた。百貨店・スーパー売上高は、食料品や衣料品、身の回り品などすべての品目で前年を上回った。耐久消費財では、新車販売台数は、新車の生産回復により前年を上回った。家電大型専門店販売額は、家電需要に一服感がみられたことなどにより前年を下回った。

○建設関連は、回復の動きがみられた。公共工事は底堅く推移した。民間工事は分譲マンションやホテルなど新築工事が増加し再開の動きがみられた。

○観光関連は、国内外の旅行需要の高まりを受け入域観光客数は大きく増加した。同様に主要ホテルは宿泊客室稼働率、売上高ともに前年を上回り、観光施設入場者数も前年を上回った。またゴルフ場は、入場者数と売上高が前年を上回った。

○雇用情勢は、経済活動が一層活発化するなかで、多くの業種で人手不足感が強まった。求人数が増加し有効求人倍率(季調値)が前年を上回った。完全失業率は前年より上昇した。企業倒産は、件数が増加し、負債総額は減少した。円安による仕入れ価格高騰や人件費上昇、ゼロゼロ融資の返済開始等の影響がみられ、件数が増加した。

【2024年の展望】

 ~ 国内経済は回復の動きが強まる ~

 ~ 県内経済は拡大基調継続 ~

○国内経済は、不安定な世界情勢や物価高騰など懸念材料はあるものの、底堅い個人消費や、旺盛な設備投資意欲に支えられ、回復の動きが強まるであろう。

○県内経済は、消費関連では県民の底堅い需要に加え外国客の需要が増加すると見込まれること、建設関連は、沖縄観光の回復に伴い民間投資に再開の動きが強まることから、段階的に拡大の動きが強まると予想される。

○個人消費は、物価高などの影響により不透明感は残るものの、消費マインドは底堅い推移が見込まれ、回復の動きから緩やかに拡大していくとみられる。

○建設関連は、緩やかに拡大することが見込まれる。公共工事では沖縄振興予算案が前年と同水準となるほか、防衛省関連予算案の歳出ベースが高い水準で維持されることなどから、底堅く推移するとみられる。民間工事では、建築単価の動向を注視する必要があるが、沖縄観光の回復に伴い建設投資需要の回復が期待され、緩やかに拡大するとみられる。

○観光関連は、国内客の旺盛な旅行需要に加え、那覇発着の航空便の増便もあり外国客の増加も見込まれ、拡大の動きが強まると予想される。

 

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