Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

県内企業の雇用動向について

要旨

○当行では、県内企業の雇用動向について採用状況や雇用形態の変化、アウトソーシングの実施状況、従業員の評価方法、IT活用に伴う雇用への影響などを把握するため、アンケート調査を行った。

○社員数の増減を3年前と比較すると、総社員数が「増加」した企業は4割強となり「減少」した企業を上回った。今後3年間の見通しでは、総社員数について「増加」と回答した企業が「減少」と回答した企業を引き続き上回るものの、「変わらず」と回答した企業の割合が4割弱に高まっている。

○平成12年度の新卒者の採用状況についてみると、「採用あり」と回答した企業の割合が「採用なし」と回答した企業の割合を下回った。一方、新卒者採用実績の増減をみると、直近3年間の平均と比較して「増加」と回答した企業の割合は2割弱で「減少」と回答した企業(3割弱)を下回った。

○平成12年度の中途採用の実績についてみると、「採用あり」と回答した企業の割合が6割強で「採用なし」の企業の割合(4割弱)を上回った。業種別でみると、「採用あり」と回答した企業は建設業や運輸業で高い割合となっている。

○アウトソーシングの実施状況については、6割強の企業が「実施している」と回答した。業種別では卸売業、製造業、小売業で高くなっている。今後については、「実施する」と回答した企業の割合(7割弱)が高まっている。

○従業員の評価方法について新たに導入、または評価のウエートが高まっている項目をみると、管理職については「実績・目標達成」が6割で最も高く、次いで「部下育成力」、「能力・資格」の順となっている。

○給与体系の見直しについて新たに導入、またはウエートが高まっている項目をみると、「個人の実績を反映」と回答した企業が7割弱で最も高く、「年俸制」と回答した企業も1割弱みられた。一方、3割強の企業は「従来と変わらず」と回答している。

○ITを活用している企業における雇用への影響をみると、6割弱の企業が「従業員を削減する意図はない」と回答した。「従業員を削減できた」と回答した企業は1割未満となっており、現状では効率化のためにITを活用しており、「雇用削減」までがIT活用の主目的とはなっていないことが窺える。現在、ITを活用していない企業も含め、今後のIT活用に伴う雇用への影響をみると、「従業員を削減する意図はない」と回答した企業の割合が4割強と低下した。一方、「従業員を削減できる」と回答した企業の割合が高くなり、「中間管理職を削減できる」と回答した企業も一部みられた。

 

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