Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

本県における新設住宅着工の動向と2000年シミュレーション

要旨

○先日、経済企画庁が発表した国民所得統計によると、99年10-12月の実質国内総生産(GDP)は、前期比1.4%減、年率換算で5.5%減となり、2・4半期続けてマイナスとなった。個別に見ると、GDP全体の約6割を占める個人消費が前期比1.6%減となったものの、設備投資が同4.6%増と3・4半期ぶりに増加に転じるなど明るい動きもみられたため、政府は「自立的な回復に向けた動きが徐々に現れている」との景況認識を示した。

○一方、足もとの県内経済に目を向けると、公共工事が高水準を保っていることや、軽乗用車を中心とした新車販売の堅調な動き、そして入域観光客数の伸びが好調さを持続しており、回復の動きがみられる状況となっている。ただ、失業率は依然として高水準で推移しており、雇用情勢への懸念は払拭されないままである。

○このような状況下、県内における新設住宅着工の動きは、低金利の持続や住宅ローン減税制度の効果によりある程度下支えされてはいるが、所得環境の厳しさや景気の先行き不安感などを背景に、早くも着工戸数の伸びに頭打ち感がみられ、将来的な動向が懸念されるところである。

○そこで、今回は、住宅着工関連の諸時系列データを活用しながら最近の新設住宅着工の動きを分析するとともに、統計学的な要素を加えながら本年(2000年)の着工戸数のシミュレーションを行ってみたい。

 

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