Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

県内観光の動向について

要旨

○沖縄県リゾート局によると、1999年の本県への入域観光客数は、年間の累計が4,558,700人となり、前年比10.5%の増加となった。これで年間入域客数は95年以来5年間連続して前年を上回った。入域客数の増加要因として、①沖縄線航空運賃の低減と低価格旅行商品の流通、②外国クルーズ船就航による外国人客の増加、③修学旅行の順調な伸び、④航空路線の拡充などがあげられる。

○入域観光客数が好調に推移するなか、県内主要ホテルも99年の稼働率では概ね前年を上回っている。一方、低価格旅行商品の流通により、特に市内大手ホテルにおいては、売上高が伸び悩んでおり、県内主要ホテルは収益面で依然厳しい状況におかれているものと思われる。

○観光施設入場者は好調な入域観光客の伸びに支えられ、99年は対前年比4.8%増加した。特に、修学旅行や団体旅行の多い10、11月の伸びが大きい。ただし、入域観光客数の伸び率10.5%に比べるとおよそ半分にとどまっており、最近の傾向である観光客の小グループ化、家族化により従来型の団体旅行による施設観光離れが進んでいるものと思われる。

○2000年度の入域観光客数は、①サミット開催期間の一般観光客への影響、②航空運賃改定により格安旅行商品の造成が困難になることなどから、伸び率が大きく鈍化することが予想される。

○今年開催される九州・沖縄サミットによってリゾート地としての沖縄が世界に発信され、世界各地に沖縄を訪れてみたいという人々が増えるものと思われる。こうした外国人客を含めて潜在的な顧客を取り込むためのチャンネルづくりが沖縄観光の次のステップとして重要になってくるものと思われる。

 

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