Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内における2023年プロ野球春季キャンプの経済効果― 経済効果は3年ぶりに100億円台に回復―

(要 旨)

・2023年の沖縄県内におけるプロ野球春季キャンプの経済効果は、101億5,300万円となり、2022年の43億4,700万円を上回った。

・延べ観客数は約37万9,000人となり、前年(11万4,000人)から232.5%増となった。うち県外からの観客数は約4万9,000人と推測された。

・今年はコロナ対策の行動制限がなく人流回復が顕著となり、各キャンプ地では賑わいがみられ、県内客、県外客ともに増加し経済効果の増加に寄与した。

・プロ野球春季キャンプは、観光のオフシーズンに多くの観客や関係者が来沖し消費活動を行うことから県経済に与えるインパクトは大きい。経済効果の最大化を目指すにあたり、観光消費額の大きい県外客の誘客および消費行動を促すことが重要である。

・また、地元飲食店や土産品店の出店促進に加え、導線を意識した会場づくりなど、キャンプ地の賑わい創出及び来場者の消費行動を促す仕掛けづくりに取組む必要があろう。

・プロ野球春季キャンプをはじめとするスポーツツーリズムを目的とした来県は、沖縄観光における新たな客層の獲得及びリピーター創出へとつながる。「観光消費額の平準化」という課題を抱える当県において、温暖な気候を活かしたスポーツツーリズムの存在意義は大きく、その重要性は今後益々高まっていくものと考えられる。

・県内におけるプロ野球春季キャンプが、より魅力のある観光コンテンツとして定着し、より多くのファンを惹きつけるためには、迎え入れる側の姿勢が問われる。

・県や自治体、民間が連携し、そして地域住民の理解・協力を得ながら、継続的な受け入れ態勢の整備・構築を図り、キャンプ集積地としての価値を高め、県経済の活性化へとつながることに期待したい。

 

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