Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内の市町村の将来推計人口(2022年7月推計)

( 要 旨 )

1.将来推計人口の推計方法

 当研究所では、コーホート要因法に基づき、2020年の国勢調査およびその後公表されている推計人口や人口動態調査、住民基本台帳人口移動報告などのデータを用いて、県内市町村の将来推計人口を推計してみた。市町村別の将来推計人口については、男女別、5歳階級別、5年毎の推計を行った。また、北部、中部、南部、宮古、八重山地域の地域別の将来推計人口は、市町村別の将来推計人口を該当する地域別に集計したものである。

2.市町村別の将来推計人口

(人口の増減見通し)
 県内41市町村のうち、2020年の人口が既に15年より減少している市町村は20市町村で、約半数が減少している。20年から25年にかけては大宜味村や恩納村、名護市、宜野座村、読谷村、北中城村、西原町、南城市、座間味村、宮古島市の10市町村が減少に転じる見通しである。また、25年から30年にかけては、うるま市、浦添市、糸満市、石垣市、与那国町の5市町が減少に転じる見通しである。さらに30年から35年にかけては、沖縄市、宜野湾市、八重瀬町の3市町が減少に転じ、35年から40年にかけては与那原町と豊見城市の2市町が減少に転じる見通しである。50年から55年にかけて南風原町と中城村が減少に転じることにより、県内全ての市町村が減少する見通しである。70年において人口が20年を上回っているのは、南風原町と中城村の2町村となり、この2町村以外は全て20年を下回っている。一方、20年比で最も下回っているのは粟国村で7割近く減少する見通しである。次いで多良間村、座間味村、伊江村、国頭村となっている。

(人口の構成比)
 県人口に占める構成比をみると、70年で最も大きいのは那覇市で、次いで沖縄市、うるま市、浦添市、宜野湾市となる見通しであり、20年と同じ順位となっている。構成比の増減では、最も増加するのは南風原町で、次いで、うるま市、豊見城市、糸満市、沖縄市となっている。

(年齢3区分別人口の増減)
 20年から70年までの人口の増減率を年齢3区分別でみると、0~14歳人口の年少人口は全ての市町村で減少する見通しである。最も減少率が大きいのは渡嘉敷村で、次いで座間味村、粟国村、多良間村、伊江村となっている。また、15~64歳の生産年齢人口も全ての市町村で減少する見通しである。最も減少率が大きいのは渡嘉敷村で、次いで粟国村、伊江村、座間味村、多良間村となっている。一方、65歳以上の老年人口は23市町村で増加する見通しである。最も増加率が大きいのは中城村で、次いで南風原町、宜野湾市、豊見城市、沖縄市となっている。また、最も減少率が大きいのは渡名喜村で、次いで東村、粟国村、伊平屋村、多良間村となっている。

(年齢3区分別人口の構成比)
 各市町村の人口に占める年齢3区分別人口の構成比について20年と70年を比較すると、0~14歳人口では、渡名喜村と東村が上昇するが、この2村以外は全て低下する見通しである。15~64歳人口では、竹富町と中城村、伊是名村が上昇するが、この3町村以外は全て低下する見通しである。一方、65歳以上人口では、渡嘉敷村と座間味村、伊江村など、38市町村で上昇する見通しである。低下するのは3村で、渡名喜村と東村、今帰仁村が低下する見通しである。

3.県内地域別の将来推計人口

(地域別の将来推計人口)
 地域別では、北部地域が20年の12万8,030人から70年には9万3,280人となる見通しである。また、南部地域と宮古地域は20年から25年には減少に転じ、南部地域は20年の70万6,970人から70年には56万550人となり、宮古地域は5万3,900人から4万6,220人となる見通しである。中部地域は25年から30年に減少に転じ、20年の52万5,380人から70年には44万4,570人となる見通しであり、30年には全ての地域が減少に転じる見通しである。八重山地域は、20年は5万3,190人から70年には4万3,780人となる見通しである。

 

 

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