Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内における2022年プロ野球春季キャンプの経済効果

【要 旨】

・2022年の沖縄県内におけるプロ野球春季キャンプの経済効果は、43億4,700万円となり、2021年の23億6,600万円を上回った。

・今季は2年ぶりに有観客でのキャンプインとなったが、新型コロナウイルスの流行第6波に伴い沖縄県や一部地域にまん延防止等重点措置が適用されている状況下であったことなどから、感染予防対策を徹底した上での開催となった。

・延べ観客数は約11万4,000人となり、無観客開催となった前年(0人)から全増となったものの、新型コロナ以前の2019年(約40万8,000人)と比較すると、約29万4,000人減と大幅に減少した。

・観客数のうち県外からの観客数は約9,000人と推測され、前年(0人)から全増となった。

・有観客開催ではあったものの、まん延防止等重点措置が適用されている地域において県をまたぐ渡航自粛が要請されていたことや、厳しい入場制限が敷かれ、ファンとの交流イベントは自粛された。その結果、経済効果は限定的なものとなった。

・経済効果を産業別に多い方からみると、宿泊業が8億8,100万円、飲食サービス(飲食店など)が5億3,900万円、建設業が3億8,300万円などの順であった。

・プロ野球春季キャンプは、観光のオフシーズンに多くの観客や関係者が来沖し消費活動を行うことから県経済に与える影響は大きい。しかし、今季は新型コロナウイルス流行第6波の影響などから経済効果は限定的となり、県外からの観客を呼び込む重要性を改めて認識する結果となった。

・今後はウィズコロナに対応した安心・安全なキャンプ実施体制の構築および観光消費拡大の両立を図っていくことが重要であり、キャンプ地を訪れるインセンティブ創出など、新たなキャンプの在り方を模索していく必要があろう。ウィズコロナ・アフターコロナを見据え、県内スポーツ産業の持続可能な運営と今後の更なる発展が期待される。

 

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