Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

拡大するeスポーツと県内の現状について

要旨

1. eスポーツとはelectronic sports(エレクトロニックスポーツ)の略称で、コンピュータゲームをスポーツ競技として捉える際の名称である。

2.世界のeスポーツ市場規模は1,000百万米ドルを超えており、2021年には1,565百万米ドル(1,690億円)、2022年には1,789百万米ドル(1,932億円)まで成長するとの試算もある。また、2020年12月にアジアオリンピック評議会は2022年に中国の杭州で開催されるアジア大会で、はじめてeスポーツを正式種目として開催すると発表。さらに今後、2028年にアメリカのロサンゼルスで開催されるオリンピックでも正式種目として開催される可能性がある。

3.国内でのeスポーツ普及の課題としては、「現状ではeスポーツはスポーツとしての認知が低い」さらに「一般社団法人日本eスポーツ連合はJOC(日本オリンピック委員会)未加盟である」「eスポーツ大会開催にあたってのガイドラインが未整備である」「国内eスポーツ市場は市場規模が小さく収入の多様化が必要である」の4つがあげられる。
 eスポーツ認知の問題やJOC未加盟の件、国内市場規模が小さい件などは、行政などの支援も受け日本eスポーツ連合によるスポーツ認知に向けたイベントや講演会なども開催されており徐々に改善しつつある。また大会開催にあたってのガイドライン未整備に関する件は、今後、「日本eスポーツ連合」が中心となり行政と協力して対応を進めていく必要性がある。

4.沖縄県では2018年12月に「一般社団法人沖縄県eスポーツ協会」が設立。さらには2019年4月には「一般社団法人沖縄eスポーツ連盟」が設立された。その他にも沖縄初のeスポーツ専門チームが立ち上がるなどここ数年、県内におけるeスポーツ関連の動きが非常に活発になってきている。

5.県内のeスポーツ普及の課題は「距離の問題」、「教育現場での普及促進と金銭的な負担」の2つがあげられる。また今後、県内で世界的なeスポーツの成長市場を取り込むための下記3つの提言を行いたい。

①eスポーツの世界大会などを開催する際に主催者側の大きな事務負担となる興行ビザ取得の簡素化や、現在中国人向けに導入されている数次ビザの興行ビザ版をつくる。 

②現在、沖縄はプロ野球やサッカーの強化合宿やキャンプ地として知名度が高いが、eスポーツのプロ選手からも沖縄はキャンプ地として人気が高く、今後積極的に誘致を行い新たな再訪者(リピーター)を得られる可能性がある。

③「ResorTech Okinawa」開催に合わせたeスポーツ国際大会を開催する。

 

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