Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内における2021年プロ野球春季キャンプの経済効果

【要 旨】

・2021年の沖縄県内におけるプロ野球春季キャンプの経済効果は、23億6,600万円となり、2020年の121億6,800万円を大きく下回った。

・今季のキャンプは無観客でのキャンプインとなるなど、新型コロナウイルス感染拡大防止が前提の実施となった。

・新型コロナウイルス感染症まん延により、県内の医療提供体制がひっ迫する状況であることから県独自の緊急事態宣言が発出された。その後、宣言期間延長を経て、全期間無観客でのキャンプ実施となった。このことから延べ観客数は0人となり、前年より約35万4,000人の減少となった。

・無観客の影響が宿泊施設や飲食店、土産物販売店など幅広い業種に及んだ結果、今年の経済効果は今までにない減少幅となった。

・経済効果を産業別に多い方からみると、宿泊業が4億9,600万円、飲食サービス(飲食店など)が3億700万円、建設業が2億3,300万円などの順であった。

・プロ野球春季キャンプは、観光のオフシーズンに多くの観客や関係者が来沖し消費活動を行うことから県経済に与える影響は大きい。しかし、今季は無観客となったことから経済効果は限定的となり、改めて観客を呼び込む重要性を再認識する結果となった。

・今後は観客からの要望が強いキャンプ地ならではのファンサービスや交流イベントなどを強化し、キャンプ地へ行くことへのインセンティブを上乗せすることが期待される。

・観光関連事業者が疲弊している現状を踏まえ、今一度、球団とキャンプ地の双方における好循環を意識した取組みが期待される。

 

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