Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内における2019年プロ野球春季キャンプの経済効果

【要 旨】

・2019年の沖縄県内におけるプロ野球春季キャンプの経済効果は、141億3,100万円となり、2018年の122億8,800万円を上回り過去最高となった。

・延べ観客数は、約40万8,000人で過去最高となり、入域観光客数が好調に推移するなか、注目選手の参加などによるチーム人気の高まりでファンが増えたこと、SNSなどを活用したPR活動によりファンサービスの認知が広まりリピーターも増えたこと、周年記念イベント開催効果などから、前年より約3万1,000人増と大幅に増加した。

・観客数のうち県外からの観客は約9万2,000人と推測され前年より8,000人増加した。

・前年と同様の球団数でキャンプが実施されたが、今年の経済効果は、観客数の大幅増や県外からの観客増加による宿泊費や飲食費、土産・グッズ購入費の増加などから過去最高となった。

・今年の経済効果を産業別に多い方からみると、宿泊業が28億2,000万円、商業が17億3,500万円、飲食サービス(飲食店など)が16億4,300万円などの順であった。

・プロ野球春季キャンプは、一流選手の練習を見学できるだけではなく、観光のオフシーズンに多くの観客や関係者が来沖して消費活動を行うことから、県経済に与える影響は大きい。今後さらに経済効果を増やすためには、キャンプの継続実施や観客数および県内消費額の増加が必要である。市町村や民間が連携して受け入れ態勢を整備するとともに、地元産業を盛り上げて地域活性化に繋げる仕組みづくりに取り組むことがますます重要である。

・県内では、プロバスケットボールやプロサッカーJ1に対応する大規模施設を建設中または建設の計画がある。プロ野球春季キャンプをはじめとしてスポーツ産業は、観光需要の平準化に重要な産業であり、県経済の活性化においてますます重要な役割を担うと思われる。

 

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