Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県内における2011年プロ野球春季キャンプの経済効果  ~経済効果は過去最高の86億4,800万円~

要旨

○2011年の沖縄県内におけるプロ野球春季キャンプの経済効果は、過去最高の86億4,800万円となった。

○これは、前年(54億9,400万円)より約32億円増加し、これまでの最高であった2008年の62億7,400万円を大きく上回った。大幅な増加要因として、読売巨人軍が県内で初めてキャンプを実施したことや日本ハムに入団した斎藤投手の全国的なフィーバーなどの大きな話題により、観客数が大幅に伸びたことが挙げられる。

○今年の県内における春季キャンプは、球団数が過去最多の10球団となり、期間中の観客数は、約25万3,000人(オープン戦含む)と前年(約17万1,000人)より約8万2,000人多かった。また、キャンプ期間中の県外からの滞在者は、選手、球団関係者が約1,100人、報道関係者・解説者が約2,700人、県外からの観客は約4万3,000人となり、前年(約2万5,000人)を1万8,000人上回った。

○このように県外客が大幅に増加したことが、宿泊費、飲食費等の増加へとつながり、今年のキャンプの経済効果は、過去最高の86億4,800万円となった。

○今年の経済効果を産業別に多い方からみると、宿泊業13億1,500万円、製造業11億7,800万円、商業9億9,300万円の順であった。

○ただ、今年のキャンプの経済効果は、事前予想の101億円に対して約15億円少なかった。予想より県外からの観客が伸びなかったことなどが要因として挙げられる。

○一方、今年で初めてとなる巨人軍のキャンプは、観客が約8万7,800人となり、経済効果は22億3,400万円と大きな効果をもたらした。

○また、全国的にフィーバーとなった斎藤投手の入団した日本ハムの経済効果は、16億1,500万円と巨人軍に次いで大きかった。

○今年のキャンプは、沖縄県が各キャンプ地を巡回するラッピングバスの運行やキャンプ情報を発信するウェブサイトの開設などの新たな取り組みも始まったほか、キャンプ関連の新たなグッズや泡盛、食品、金融商品なども多く販売された。

○このようにキャンプを通し、新たなビジネスチャンスを構築するとともに、県民サイドでは、一人でも多くの県民がキャンプ地に出向くなどしてキャンプを盛り上げていくことが求められる。

 

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