調査レポート
沖縄県経済2017年の回顧と2018年の展望
要旨
【2017年の回顧】
~ 国内経済は緩やかな回復を続け、県内経済は拡大の動きが強まった~
○国内経済は、企業収益の水準が高く、雇用情勢の改善が続き、個人消費と企業の設備投資に持ち直しの動きがみられたことから、全体として緩やかな回復を続けた。
○県内経済の17年は、観光、消費関連が好調に推移し、建設関連も概ね好調に推移したことから、全体では拡大の動きが強まった。
○個人消費は、好調な動きとなった。百貨店・スーパー売上高は、新設店効果に加え、食料品の需要や外国人観光客による消費が伸長したことなどから好調に推移し、耐久消費財では、新車販売は自家用車需要の伸長による普通乗用車や軽自動車の増加などから前年を上回り、家電卸売はエアコンやBDレコーダーの需要は伸長したものの白物家電や太陽光発電システムが減少したことなどから前年を下回る見込みである。
○建設関連は、公共工事は国の発注工事が増加したことなどから好調に推移し、民間工事は住宅着工が前年を上回り引き続き高水準を維持したことから、全体では概ね好調に推移した。
○観光関連は、国内観光客、外国人観光客ともに増加し、入域観光客数は好調な動きとなった。主要ホテルは客室稼働率、売上高がそれぞれ前年を上回り、好調に推移した。観光施設、ゴルフ場入場者数も前年を上回った。
○雇用情勢は、単月の有効求人倍率(季調値)が本土復帰後最高値を更新(1.18倍)し、完全失業率も低下したことから改善が続いた。また、企業倒産は、県内景気の拡大基調を背景に企業の業績が上向き、件数、金額ともに低水準で推移した。
【2018年の展望】
~ 国内経済は緩やかな拡大局面が見込まれ、県内経済は引き続き拡大の動きが強まろう~
○国内経済は、海外景気の回復に伴う輸出の増加や東京五輪を見越したインフラ投資需要の盛り上がりなどから、景気の拡大基調がより明確となることが見込まれる。
○県内経済は、消費関連は雇用環境の改善などから好調に推移するものとみられ、観光は外国人観光客の旺盛な旅行需要などから好調に推移するものとみられる。また、建設関連は公共工事が引き続き高水準で推移するものとみられ、全体では引き続き拡大の動きが強まって推移しよう。
○個人消費は、新設・改装効果に加え就業者数の増加や賃金上昇など雇用環境の改善により、県民の消費活動はさらに活発な動きになるものと予想され、食料品や耐久消費財が堅調に推移する見通しである。
○建設関連は、公共工事は比較的高水準で推移することや、民間工事は投資意欲の高まりから住宅投資や企業の建設投資の増加が見込まれ、全体では引き続き概ね好調な動きとなろう。
○観光関連は、引き続き好調に推移しよう。景気回復や外国人観光客の旺盛な旅行需要などを背景に入域観光客数は前年増が見込まれ、引き続きホテル売上高の増加が予想される。
2018年01月 |
![]() | 沖縄県経済2017年の回顧と2018年の展望 | |
![]() |
PDF全文 |