Ryugin Research Institute Ltd.

調査レポート

沖縄県経済2015年の回顧と2016年の展望

要旨

【2015年の回顧】

~ 国内経済は持ち直しの動きがみられ、県内経済は拡大の動きが強まった~

○国内経済は、中国など海外経済の減速から足踏みとなったものの、年終盤には円安や原油安の効果などにより持ち直しの動きがみられた。

○県内経済の15年は、観光、消費関連が好調に推移し、建設関連も概ね好調に推移したことから、全体では拡大の動きが強まった。

○個人消費は、好調に推移したものの、一部で弱い動きとなった。百貨店・スーパー売上高は、夏物衣料品や食料品を中心に好調に推移し、耐久消費財では、新車販売で軽自動車税増税前の駆け込み需要の反動減がみられ、家電卸売でも消費税増税前の駆け込み需要の反動減や太陽光発電システムの需要減がみられた。

○建設関連は、公共工事は沖縄振興予算が高水準だったことなどから好調に推移し、民間工事は住宅着工が高水準を維持したことから、全体では概ね好調に推移した。

○観光関連は、円安を背景に外国客が増加し、好調な動きとなった。主要ホテルは客室稼働率、売上高がそれぞれ前年を上回り、好調に推移した。観光施設、ゴルフ場入場客数も前年を上回った。

○雇用情勢は、単月の有効求人倍率が本土復帰後最高値を記録し、完全失業率も低下したことから改善が続いた。また、企業倒産は、景気拡大や金融機関支援の効果により、件数は前年を下回った。

【2016年の展望】

~ 国内経済は持ち直しの動きを維持し、県内経済は引き続き拡大の動きが強まろう~

○国内経済は、雇用情勢の改善による個人消費の増加や海外経済の回復などから、持ち直しの動きが続くものとみられる。

○県内経済は、消費関連は雇用情勢の改善などから好調に推移するものとみられ、観光も外国客の旺盛な旅行需要などから好調に推移するものとみられる。また、建設関連も公共工事の増加などから好調に推移するものとみられ、全体では引き続き拡大の動きが強まって推移しよう。

○個人消費は、前年からの新設店効果や改装効果、雇用条件の改善により食料品を中心に前年にも増して、好調な動きになるものとみられる。

○建設関連は、公共工事は沖縄振興予算が高水準を維持することや、民間工事が住宅需要や企業の設備投資意欲が高いことなどから、好調な動きとなることが予想される。

○観光関連は、引き続き好調に推移しよう。景気回復や外国客の旺盛な旅行需要などを背景に入域観光客数は前年増が見込まれ、引き続きホテル売上高の増加が予想される。

 

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